箱庭療法
箱庭療法は、イギリスの小児科医のローエンフェルト(Lowenfeld,M)が、子供のための
心理療法として考え出し、1921年に世界技法(The World Technique)として発表した
ものです。その後スイス人のドラ・カルフ(D.Kalf)が、ユング心理学を基礎として発展
させ、砂遊び療法(Sandplay Therapy)として確立しました。スイスのユング研究所に
留学してした河合隼雄氏が、カルフより教えを受け、非言語的表現の多い日本の文化に
適していると思い、箱庭療法と名づけて日本に導入しました。
箱庭療法の具他的なやり方としては、縦52cm、横72cm、高さ7cmの木の箱の中に砂が
入っています。その箱の中に家、人、植物、動物、乗り物などの様々なミニチュアを自由に
置くことによって、一つの世界を作り出します。することはただそれだけですが、そこに表現
された世界は小さな宇宙であり、心の深いところのイメージを表しているものです。
子ども達は楽しい遊びとして箱庭に向かい、自分の心の問題を表現していきます。
大人でも実際に箱庭を作ってみると、もやもやした自分の心をのぞき見て、思いがけない
自分を発見することもあります。誰でも何かを創る時は、全体のバランスを見たり、
満足したり、不満なところを手直ししたりします。
自分で創って自分でバランスをとるという経験は、心が自然に広がり、心の自然治癒力を
高めることにつながります。心理療法というよりは創造的な遊びとして、今の自分にしか
創れないたったひとつの作品を創るつもりで楽しみながら箱庭を体験してみてください。
あなたの人生にダイナミックな流れが生まれることになるでしょう。